2011年に「口を閉じれば病気にならない」という一般向け書籍を上梓した。
口を閉じると言うこと、つまり鼻呼吸状態が病気予防になるということだ。
1892年に耳鼻科医のClinton Wagnerが著した「mouth breathing: its cause and effect」には、慢性的な口呼吸状態の結果として、上顎前歯突出、下顎後退、鼻唇溝が目立つと記してある。口呼吸を、「呼気吸気のどちらかでも口で行う状態のこと。さらに習慣性開口による口腔粘膜乾燥状態」と定義してみると、それだけのことで顎顔面の状態が変わるのかにわかには信じがたい。
この口呼吸という意識されることの少ない悪習慣により人体にどのような影響が出るのであろうか。
今回は、口呼吸の問題を慢性炎症という観点から考えてみたい。慢性炎症ががんや生活習慣病などの基礎となっていることが解明されてきているが、口呼吸は口腔乾燥、歯肉炎の悪化など口腔内環境を悪化させる。
これにより、慢性炎症が形成され、疾病の根っことなり様々な病名の枝葉を伸ばすのである。
口呼吸では歯面の乾燥、歯牙・口腔の冷えが起こり、歯垢、歯石沈着が促進されたり、う歯、歯肉炎を引き起こす。それは病巣となり、遠隔臓器に二次性の器質的、機能的な疾患を引き起こすことがある。いわゆる病巣感染症(病巣疾患)である。ところが遠隔臓器の病変に気を取られてしまい、原病巣の治療が出来なければ同様の疾病を繰り返すことになってしまう。
オーラルケア(OC)の目的は、引き続き起こってくる全身の問題を未然に防ぐことでもある。
治療よりも予防の方が簡単で費用も抑えられるので、OCは全身の疾病予防につながる。そしてOCの第一歩は、舌位置を正しきちんと口唇閉鎖を行えることである。
歯科医療に、OCから全身病を予防するという予防医療の大きな役割を期待している。
OCと同時に忘れてならないのがネイザルケア(鼻腔ケア)である。鼻と口は体外との重要な接点でもあり、さまざまな防御機構が備わっている。歯科医院でも出来るネイザルケアについても詳述する。
【略歴】
平成7年 山口大学医学部卒業 同大学救急医学講座入局
福岡徳洲会病院麻酔科 飯塚病院漢方診療科医長 山口大学総合診療部助手
などを経て平成18年みらいクリニックを開業
日本東洋医学会認定漢方専門医 日本病巣疾患研究会副会長
加圧トレーニングスペシャルインストラクター
【最近の講演】
5月16日
幕張メッセで行われた春季日本歯周病学会にて市民向け一般講演
「知られざる生活習慣病」〜口呼吸〜
口と全身の病気の不思議なつながり
6月4日
〜鼻呼吸を日本の文化に!〜 NHK「おはよう日本」
9月5日6日
第三回日本病巣疾患研究会総会 日本歯科大学生命歯学部 九段ホール
他 日本各地でご講演
【著書】
2012/7/18
正しく「鼻呼吸」すれば病気にならない (KAWADE夢文庫)
2014/10/31
あいうべ体操と口テープが病気を治す! 鼻呼吸なら薬はいらない
2015/2/27
健康でいたければ鼻呼吸にしなさい: あいうべ体操と口テープでカラダがよみがえる!
2014/6/4
湯浅 慶朗、 今井 一彰共著
▼日時
7月25日 (土) 午後6時~午後8時
▼会場
上野ヨシダ
▼会費
非会員の歯科医師 ¥ 5,000-
大学院生・研修医 ¥ 3,000-(身分証を提示)
歯科技工士・歯科衛生士 ¥ 3,000-
▼参加申込方法
下記リンク(PDF)を御覧ください。
↓
C.D.R.I案内H27.7月案内【申込書PDF】
プリントアウトの上、
申込書に必要事項をご記入の上、FAXにてお申込み下さい。
FAX送信先 : 03-3982-4792
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